Pembroke

オタワからの距離150Km。所要1時間30分。

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Renfrew 郡(Renfrew County)に囲まれているが、郡には属しておらず市として独立している。
オタワ川に沿って上流にある町 Petawawa には、カナダ軍の基地 Canadian Forces Base Petawawa がある。

更にオタワ川に沿って上流にいくと Chalk River の町がある。ここには、カナダ原子力公社(Atomic Energy of Canada Limited (AECL) )の Chalk River 研究所がある。

この研究所は1944年に開設され、1947年には研究炉 NRX(National Research eXperimental)が運転を開始している。
その後1957年に運転を開始した NRU(National Research Universal)炉において医療用アイソトープのコバルト60、モリブデン99、ヨウ素131、125、キセノン133、炭素14、イリジウム192を生産しており、世界の医療用アイソトープ生産量の50%以上をここで生産している。
カナダでは、1940年代から医療用・産業用のアイソトープを生産しており、1951年にはコバルトによる放射線がん治療装置の一つが世界で初めてオンタリオ州の病院に設置されている。
NRU は、過去にカナダ原子力安全委員会から指摘されていた緊急時冷却ポンプの電源系統の不備に対応していなかったことが2007年11月に発覚し、一時運転を停止した。その後、医療用アイソトープの生産を確保するため、連邦議会における緊急立法により運転の再開が認められることとなるが、その間の政治的な対立の影響でカナダ原子力安全委員会の委員長が辞任する騒ぎとなった。

また、Chalk River 研究所では、医療用アイソトープの生産だけを目的とした原子炉である MAPLE-1 と MAPLE-2 の2つの炉が建設されほぼ完成していたものの、資金面・技術面の問題を克服できず、2008年5月に廃炉が決定された。MAPLE とは、Multipurpose Applied Physics Lattice Experiment の略である。稼働すれば1基のみで世界の需要を満たせるはずであった。

カナダは、最大のコバルト60生産国。医療用アイソトープの生産は、MDS Nordion 社が行っている。
MDS Nordion 社は、1946年に鉱業会社 Eldorado 社のラジウム販売部門から出発し、AECL 社の一部となった後、1972年に商業用のアイソトープ生産を開始した。1991 年には、健康・医療関係の企業である MDS Health グループに売却されて現在に至っている。
なお、世界中で使われている医療用アイソトープの95%以上は、MDS Nordion を含む4つの製造元(他にはオランダ、ベルギー、南アフリカの企業)で生産されている。


オタワから Pembroke に至る州道17号線沿いは、農場が広がる。下の写真は朝焼けに霞む農場。
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道路を横切る貨物列車。カナダでは、コンテナの貨物列車は二階建て。
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Pembroke のダウンタウンの景色。
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Pembroke を越えると、州道17号線は、カナダ楯状地の起伏をアップダウンを繰り返しながら進む。
ところどころに湖などもあり、車も少ないので、ドライブには楽しい場所。
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オタワ川を挟んで対岸のケベック州側の Fort Coulonge 近郊には、Chutes Coulonge という公園があり、かつての木材の搬出の施設などが残されているほか、林の中を張ったロープを滑車で滑り降りるようなアトラクションがある。



Pembroke 市の公式サイト。
 http://www.pembrokeontario.com/

Renfrew 郡の公式サイト。
 http://www.countyofrenfrew.on.ca/

観光サイト
 http://www.valleyexplore.com/

Wikipedea
 Pembroke
 チョーク・リバー研究所

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